アフロ田中

漫画『アフロ田中』シリーズの実写化。その中でも“上京編”をメインにしたオリジナルストーリー。僕は持ってはいないんですが全巻読んでいてすごく面白い漫画だと思ってます。漫画は大変おすすめ。
映画は幼少時代から始まり“高校編”“中退編”をさらっとそれぞれ一分ぐらいですくって“上京編”に入ります。それはいいんですよ、ただ“上京編”にした意味ってなんだったんだろうってとこなんですね。会社の先輩たちもなんとなく原作キャラに似た人たちは出てくるんですけど特に絡むこともなく、むしろ相手にされてないんですね。人間関係としてはやっぱり高校時代の友達がメインでそれなら高校編か中退編メインでよかったんじゃないかなと思いました。個人的にその2つのシリーズが特に好きというのもあるんですが…。
また全体の作りは原作の面白いくだり(エピソードとか一話とかじゃなくピンポイントなところ)を寄せ集めたダイジェストでそこに映画オリジナルヒロイン(佐々木希)を配したもので、かなりとっ散らかった構成でシーンもポンポン飛ぶんですね。コメディとして部分部分はにやにやできるんですけどいまいちもったいないというか。実写映画化としての手法自体は間違ってないんですけどね。
終盤、湿っぽい展開にしつつ最終的にはアフロ田中らしいところに着地したのはよかったかなと思います。

高校アフロ田中 1 (ビッグコミックス)

高校アフロ田中 1 (ビッグコミックス)

パソコン買った。

今日はこの時期の関東には珍しい大雪が降った。うちの周りはなぜか積もらなったがニュースで映し出された八王子や三郷がまるで東北の景色のようで驚いた。そんな中注文していたパソコンが届いた。佐川さん寒い中ありがとうございます。
買ったのはHPのPavilion g4。お財布とスペック表を見比べて決めました。デザインはそこまで気にしないので実物を見ずに買った。まぁ無難なデザインで、特別おしゃれでもないけどダサくもなくといった感じ。大きさは14インチというなんとも中途半端な大きさなのだけど個人的にこの大きさはジャスト。今やっとこさデータ移して設定変えてなどで8割型自分仕様にしたところ。キーボードはテンキーがないのがちょっと不満だけどそれ以外は良し。タッチパッドは「マルチタッチジェスチャー」に対応というのが一つの売りでそこも魅力に感じていたのだけど実際使ってみるとイマイチ感度がよくなくて使いにくい。強めにタッチしなけらばならないようだ。あと今これを書いて気づいたのだけどフォントがよくない。
とまあそんなとこですね。まあ安かったし。6年は使います。

ちば映画祭に行った/2日目

2日目ラインナップ
ロストパラダイス・イン・トーキョー
おばけのマリコローズ
BELLFLOWER/ベルフラワー
犀の角
詳しくはココ

2日目は寝坊して『ロストパラダイス・イン・トーキョー』『おばけのマリコローズ』を見逃す。2日目の前売りは2800円したので2本しか観ないと1本1400円。当日券は1本1200円なので400円損した。
『BELLFLOWER/ベルフラワー』は“監督/脚本/主演/メデューサ火炎放射器と特殊カメラ制作:イヴァン・グローデル”という奇妙なクレジットが目を引く。町山智弘氏も紹介していた注目作だ。火炎放射器作りをして日々を過ごしていた男たちがひょんなことから出合った女の子とイチャついたりイライラしたり武器製作を行う変わった青春映画。前半女の子との某の部分はかったるかったのだが、後半あることをきっかけに狂気を孕む過程は自作の特殊カメラでの彩度の高い映像も相まってより狂気度を増していた。現実と虚構が入り混じる構成も凝っている。そしてなにより出来上がった火炎放射器をぶっ放すシーンは映画的にも実際にも“自作”というのを知っているとそこのシーンでの一体感、ライブ感がスゴい。シアターNで6月に公開。



『犀の角』は日本映画学校俳優科に属する方たちの卒業制作の一環として作られた作品。どことなくファンタジーな世界観の古典的な悲恋モノだ。ファンタジーと書いたけどこれは狙ったものじゃなくておそらくストーリー、世界観、ロケ地に違和感や乖離があってそれがファンタジーさにつながっているのだと思う。あと制作環境上仕方ないことなのだけど、スクリーン映えしない人物のアップはやっぱりちょっと…。中篇ながら説明を排して進行したところはよかったと思います。

2日間行って感じたのはやはりまだまだ小さい映画祭だなということ。それほど大きくない開場だったのだけど満席のものはなかったし、お祭り感もまだまだだったけどこれからも続けていって欲しいと思います。がんばれ!

ちば映画祭に行った/1日目

1月28.29日に我が地元千葉で映画祭があった。その名もズバリ「ちば映画祭」。地元でやるとなれば当然いかねばならぬ。義務である。とかいいつつ4回目にして始めての参加だ。

1日目ラインナップ
真利子哲也短編集
・極東のマンション
マリコ三十騎
・車のない生活
・アブコヤワ
・エルサント(仮)パイロット版
へんげ
THE GODFATHER OF GORE/ゴッドファーザー・オブ・ゴア
詳しくはココ

真利子監督の『極東のマンション』『マリコ三十騎』は8ミリで撮られている。どちらもドキュメンタリーテイストで、すごい雑な言い方だけど変なことをするのを捉えたもの。でストーリーらしいものはほとんどない。自主映画であり自己映画である。「ザ・自主映画」といった感じで正直かなりキツかったのだが、『極東のマンション』で声のみ出演のお母さんが非常にいいキャラで笑いもおきていた。『車のない生活』はメタ的なドキュメンタリー。テンポもよくオチもあっておもしろかった。『アブコヤワ』は100万円を宝くじにつっこむという非常に安い(自主映画の制作費としては高い?)企画なのだが、お母さんの魅力も全開に引き出しているし、編集には松江哲明が関わっている。笑いもいたるところでおきていたし、ラストにはちょっとした衝撃もありドキュメンタリーの妙味を感じることができる。『エルサント(仮)パイロット版』は文字通りパイロット版である。プロレスジムを舞台にしたもので、主演の玉井英棋さんは演技のうまいレスラーかと思いきや役者であった。それぐらいしっかりした体作りをしていた。どれもドキュメンタリーと記しているのだが、きわどいがどちらかといえばモキュメンタリーにあたるかもしれない…。微妙なところだ。宮崎将ももクロ出演の『NINIFUNI』が近日公開される。


『へんげ』はカナザワ映画祭でも大好評で今回一番の注目作だ。事前に「ラストは人に教えないでください」といった要旨の紙を配られた。実際とてもおもしろかった。演技や特撮面も含めて非常にクオリティが高く娯楽映画として作られているのもいい。1時間以内で描きたい内容をきっちり描ききっているところにも好感。蛇足的な説明は一切ない。上映後の舞台挨拶で「好きな監督は?」との質問にはやはりヴァーホーベン、クローネンバーグ、ジェムズ・キャメロンといった名があがり納得がいった。チラシもかっこいい!


『THE GODFATHER OF GORE/ゴッドファーザー・オブ・ゴア』はハーシェル・ゴードン・ルイスのドキュメンタリー。彼の映画は観たことがないのでコレを観て興味を持てればと思ったのだが、残念ながらそう思わせてくれるものではなかった。何よりも僕が苦手な本人含む関係者へのインタビューを中心に構成されていて、なんていうか……寝ちゃったんだよね。でもファンは楽しめる内容だったのかもしれない。
1日目はこんな感じで終了。客入りは、少ないくはないけど多くもなくてもうちょい盛り上がってもいいよなーと思いました。

決定!映画ブロガーが選ぶ2011年ベストムービー!!

あけましておめでとうございます。もう初詣には行かれましたか?僕は近所の神社に年明け早々行って参りました。そこでおみくじをひいたところ大吉がでましたので何かいいことがあるのかなぁとわくわくしています。
って去年と同じ書き出しになってるー!
ということで去年に引き続き映画ブロガーの皆様の「2011年映画ランキング」を集計させていただきました。

去年のはコチラ 決定!映画ブロガーが選ぶ、2010年ベストムービー! - Level88

集計対象は僕が12/31までにブクマしたエントリーです。合計140作品、33名です!
基本ルールは

・1人上位10本まで。
・1位10点から始まり10位1点
・旧作をはずしてそのままの順位でカウント。なので該当するランキングは9本 以下になっています。
・順位がなかったり○○枠とされているものは一律5.5点。

ですが、コレでは処理しきれなかったものもありましたので、それらはいいように処理させていただきました。なのでかなり大雑把な点もあります(笑)
1年間にそれは多くの映画を観る映画ブロガー選りすぐりのお墨付きですので必ずやお気に入りの映画が見つかることでしょう。
長くなりましたが以下ランキングです。それぞれに予告をつけました。
では以下ランキングです。


1位 ソーシャル・ネットワーク 98点
21世紀の『市民ケーン』とも評されたフィンチャーの渾身作!


(2位)イップマン(序章+葉門) 96点
2本で1つの作品という意見が多かったので2本にするとこの位置になります。


2位 塔の上のラプンツェル 73点
3.11直後に公開され観たものを元気づけた!


3位 ブラック・スワン 69点
いろいろと衝撃的!ナタポがんばった!


4位 スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 61点
変な邦題も話題になった!日本のポップ・カルチャー詰め込みムービー!


5位 宇宙人ポール 56点
イギリスのボンクラがスピルバーグ街道を行く!


6位 スーパー!  53点
キック・アス』へのアンサームービー!シャラップクライム!


7位 冷たい熱帯魚 52点
ボデーを透明にする!全セリフを名ゼリフにしたでんでんの怪演!


同7位 イップマン 葉門
ドニー・イェンブームの引き金!原田泰三もおすすめ!


9位 X-MEN:ファースト・ジェネレーション  47点
X−MENシリーズ最高傑作か!?仲間集め、特訓シーンがアツい!


10位 ピラニア3D  46点
とことんバカ!オッパイがいっぱい!


次点 イップマン 序章  44点
反日なんて関係ない!日本人フルボッコ



という結果になりました!『宇宙人ポール』に至っては公開からわずか1週間ほどでこの順位です。スゴイ!
去年同様本数版もつくりました。同率が多いので5位までになっています。

本数 TOP5
1位 17票 ソーシャル・ネットワーク 
2位 10票 塔の上のラプンツェル       
       宇宙人ポール
       ブラック・スワン
3位 9票 イップマン 序章・葉門  
      スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団
      冷たい熱帯魚
      X-MEN:ファースト・ジェネレーション
4位 8票 ピラニア3D       
      ミッション:8ミニッツ
      ステイフレンズ
      スーパー!
      ラブアゲイン
5位 7票 アジョシ        
      エンジェル・ウォーズ

という結果になりました。
ちなみにコチラがブクマさせていただいたものです。リンク先でそれぞれのブロガーのま“マイベスト”がみれます。

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どれも大変面白い映画ですので今すぐツタヤへGO!


*ちょっと見づらいのでもうちょいデザインいじるかもしれません。

2011年公開映画ベスト10

いろいろあった2011年ももう終わり。まさに激動の一年だった。個人的にも多少の変化はあったがまぁそれは置いといて…。
1年のまとめということで今年公開された映画をベスト10で発表。去年も大晦日で今年も大晦日になってしまった。劇場で観たのは66本、ソフトで観たのが11本で合計77本。旧作は72本で新旧あわせて149本となった。今年は家での観賞環境もちょっと良くなったのである。
では以下ランキング。
1位 塔の上のラプンツェル
ディズニー・プリンセス初のフルCGアニメ。映像のクオリティ、3Dとの親和性、ストーリー、全てがハイレベル。ラプンツェルがかわいい。

2位 奇跡
さすがは是枝監督。いくつかの不安要素を跳ね除け子供映画の傑作を作った。

3位 エンディングノート
監督の父親を主役に、人生最後の時を見つめるドキュメンタリー。病室での夫婦のやりとりは涙無しでは見られない。

4位 ザ・タウン
冒頭の銀行強盗シーンにヤられた。無骨で力強い演出。イイ面構かつ骨太な演技を魅せる俳優陣。素晴らしい。

5位 エンジェルウォーズ
おもしろかった!列車襲撃シーンのかっこよさ!

6位 コクリコ坂から
ゴロー監督良かったよ!この路線で行け!

7位 冷たい熱帯魚
ハイテンション殺人事件。でんでんの怪演が凄まじかった。

8位 ブラックスワン
「オゥ!」「オゥ…」と心の中で声を上げながら観た。ナタポがんばった!

9位 コンテイジョン
今の日本とも結びつく内容。音楽と編集が良い。グウィネス・パルトロウが不健康。地味だが面白い。

10位 ツレがうつになりまして。
宮崎あおい宮崎あおい!優しい映画。いろんな人に観て欲しい。

他には−−−アリス・クリードの失踪(サスペンスフル)/『この愛のためにうて』(スピード感あふれてた)/『127時間』(カメラワークがおもしろい)/『悪魔を見た』(悪魔を見た)/ヒアアフター津波シーンがヤバイ)/復讐捜査線放射能怖い)/『スペイン一家監禁事件』(技術力高し)−−−なんかも面白かった。

旧作から1本だけ選ぶとアメリカの夜がおもしろかった。
去年同様非常に淡白な内容だけどこれにて終わりです。

スペイン一家監禁事件

レンタルDVDで観賞。3人家族が引っ越してきたばかりの郊外の新居に突如、金品目当ての強盗がおしかけ家族を恐怖させる。
ストーリーはほぼこれだけ。85分間脅迫、暴力、陵辱が延々と続く。実録モノというわけではなく、社会的背景としてヨーロッパではこういった押しかけ強盗が頻繁に発生しているらしいので定番の犯罪といったところか。近いところでは『ファニーゲーム』などがある。前述のようにストーリーはいたってシンプルなもので、まぁ犯人側に計画性がなさすぎたり行動原理が不可解だったりスキだらけなんだから家族側もっと反撃できるだろ!といったツッコミもあるのだが本作の見どころはズバリその構成やカメラワークだ。
この映画、ワンシーンワンカットで撮られているのである。カット数で言えば15カットほどだろうか。とにかく徹底した長回しで、そのなかで自動車事故があり、喉元を掻っ捌き、顔面をつぶしたり銃でぶち抜くといった残酷描写をやってのけるのだ。またそのようなゴアな部分だけでなく、車外からドアが閉まっている後部座席にすんなり乗り込むといったちょっと不可能な技までさらりと披露してくる。『エンジェル・ウォーズ』の列車シーンのようにおそらくは要所要所でカットを割ってつなげているはずなのだが、リアリティ重視の作品でありながらCG感を感じさせず非常に自然につながっている。人物の登場やみせ方もうまく、目だし帽を被った犯人がそれを外すときの嫌な感じもいいし、伏線と言うほどではないにしろ犯人の中の1人や小道具を事前にさらりと登場させているのもいい。
さらにスプリットスクリーンをたくみに使い、サスペンスを引き立てる。編集上の分割画面はもちろん、画面構成としての分割もしているのが小気味良い。ラストではスプリットスクリーンから画面が合体するというかなり凝ったことまでしていて思わず唸った。
役者たちの演技も素晴らしく、唯一惜しいのがせっかく巨乳の娘のレイプシーンがありながらおっぱいがでないぐらいだ。谷間が強調された服を着てるのがよりもどかしい。
地味で小品でホラー/サスペンスというジャンルでありながらその計算されつくした撮影、編集からは品位も漂わせる佳作だ。