モテキ

今からでも遅くない。森山未來をアクションスターにすべきだ。それくらい彼はいい動きをしていたし、それを広く認知させたのが本作最大の功績だろう。*1
アクションスターといってももちろん未来から来た機械人間とか元特殊部隊の戦うコックさんとかではなくて、雨の中歌って踊っちゃうような*2、アクロバティックな盗撮をするような、そんなアクションスターだ。劇中でも使われる“夜明けのBEAT”のPVでも彼の動きが見れる。

軽やか!
劇中で彼がはじめて「動いた」ときは非常に驚いた。動けて、しかもそれがコミカルでもある。これはすごく重要だ。『セカチュー』以降、演技派で通っていたがこれからはアクションスターということで一つお願いします。
彼以外にも、長澤まさみのかわいさは炸裂してるわリリー・フランキーはチャラいわで役者陣は素晴らしい。役者がいいのは本人の力はもちろんそれを引き出す監督の力でもあるわけで、その点でダイコン監督はいい仕事をしている。ただ撮り方があんま上手くないが惜しい。最近の邦画で人気女優を使ってあんな濃いキスシーンを撮ったところも良い。羨ましい。
ではそれ以外ではどうだろうか?まず漫画、ドラマほどモテキれていない。映画でスケールダウンさせるわけにいかなかったのだろう、「とりあえず4人の女子」ということになっており処理し切れておらず、ワンシークエンスのみの出演でとってつけたように扱われる人物もいる。さらに今回は降ってわいたモテ期ではなくモテ期を持ってきました(うまい!)という具合でそれって根本的にどうなの?とも思う。
演出ではパターン化しているところが散見され、過剰な心理描写(セリフで吐露しまくり歌も加わる)と義務的な長回しが気になる。また映像と音楽の結びつきを優先した結果、ラストのカットバック*3が機能していない、というか全く無意味になっている。
笑えたりニヤニヤできるところもあるのだけど、映画のテンションは尻下がりになっているところが残念だ。ネタバレなので反転で→ハッピーエンドだけどあの2人は速攻別れると思う。

*1:舞台などではその動きを見せていると思われる。

*2:wikipediaに『雨に唄えば』が好きと書いてありました。

*3:パラレル・アクションが正しいのか?