スーパー!

Dr.スランプ アラレちゃん』や『ドラゴンボール』にスッパマンというキャラクターがでてくる。

この冴えないおっさんはスーパンマンを真似たバレバレのダッサいコスチュームに身をつつみペンギン村で自警活動をしている。事件が起きるとその辺の電話ボックスに駆け込み、コスチュームに着替える。「ウメボシたべてスッパマン!」をキメゼリフとし、その人差し指でもってウンチにも触れる。また少年時代にはいじめられていた過去をもつ。*1
『スーパー!』はそんなスッパマンをより暴力的、狂気的に描いた映画だった。
冴えない少年時代を送り、そのまま年だけくったおっさんのフランクは、チンピラに妻を寝取られたその衝動でテレビで見たヒーローを真似てお手製のやはりダッサいバレバレのコスチュームに身をつつみ、クリムゾン・ボルトとして町の警備にあたる。人差し指ではチンピラの車に触ることもできるし、時には狭い車内でみっともない格好になりながら着替える。キメゼリフは「シャラップ クライム!」だ。
スッパマンもクリムゾン・ボルトもどちらも自分を正義と信じ悪との戦いに励んでいる。というのはモチロン建て前だ。そのように自分を思いこませているだけで実際のところは自己満足に過ぎない。その結果、他人を巻き込みコトを厄介なものにする。幸いにもスッパマンは強い相手にはへつらうことができるが、クリムゾン・ボルトはできず、ただただ狂気の限りに邁進する。幸いにもスッパマンはギャグマンガの住人だが、クリムゾン・ボルトは映画の住人で「現実にヒーローがいたら?」という重い課題を背負っている。その結果がどういうものかは劇場で確認していただくとして、僕にいえるのは幸いにもこの映画がコメディ映画だったということだ。


*1:これはwikipediaで知った。