アンストッパブル

今年の劇場観賞1発目。単刀直入なタイトルがいい。どうやらこれ実際にあったできごとを題材にしていて、なおかつ『奇跡体験!アンビリバボー』で取り上げてたとかなんとか。まあともかくそれの映画である。
そもそも“止まらない列車”とはいろんな映画で散々使われてきたモノでそこに新鮮味はない。列車はそのまま突き進んで、行き着く先は線路が切れてるか何かにぶつかるかだ。本作の場合であれば、市街地の大カーブで脱線して爆発がそれの1つだ。そして最後はたいてい「ギリギリで止まる」ものだとわかっているし、また本作のように実話ベースでしかもあの『アンビリバボー』で取り上げられたというならなおさらである。
すると、じゃあサスペンスはないのかというとそういうこともなく、ベタではあるものの正面衝突しそうなところを間一髪のところで側線によけるだとか、暴走列車の停止に奮闘するところなんかはそれなりに緊張感のあるものだった。またトニー・スコット的なスピード感ある撮影、編集も映画を盛り上げていたと思う。
またCGや模型ではなく本物の列車を使っているだけあり、重みは十分に伝わってくる。冷たく重い鉄の塊である。それが暴走しているのだから迫力満点である。
しかし後半、一番の見せ場である“暴走列車停止作戦”には不満が残る。列車が暴走しているということで当然ながらテレビ局などの報道機関が動いてその模様を伝えるのだが、そのテレビに映されるニュース画面がそのままスクリーンに映されそれが中心となりストーリーを展開させるのである。いや、そういう視点はよくあるし、それ自体は別にいいよ。でもせっかくの見せ場でそこまで距離を置かれると緊張感も削がれるし、それこそ『アンビリバボー』で実際の映像とかいって紹介されてそうじゃない?ここでこそもっと近寄ってみせてほしかったなぁと思うのである。
むしろそういったパニック描写よりもベテラン運転手と新人運転手が結束して問題解決にあたるバディものという観点のほうが楽しめるのではないか。というかそういう印象となった。
あとおっかけてきたパトカーが横転するところには思わず笑ってしまった。アンタなにしてるんやー!
てなわけで基本的には楽しめたんだけど、なんていうかコレ…すごく『日曜洋画劇場』っぽい…。