告白

『告白』を観た。やはりあの監督、あの原作、あのキャスト、そしてあの予告編に間違いはなかった!事前情報から期待のし過ぎというのはよくあるけれど、これはその期待を裏切らない、むしろその期待を超えてくるモノだった。(つまり最高ってこと。)
映画をちょくちょく観てるとたまに始まった瞬間、ファーストカット、ファーストシーンで「あっこれはヤバい」と思うことがある。何がそう思わせるのかは分からないけど、その直感は間違いなく的中する。そして『告白』もまさしくそういう映画だった。(つまり最高ってこと。)
青みがかった映像が醸し出す雰囲気はヒドく不気味で尋常ならざる事態を物語っている。冒頭のカットバック、繰り返されるプールサイド、スローモーションで飛び散る牛乳や水しぶき、カーブミラーなどなど書いていたらきりがないほど印象的なシーンばかりで今でも目に焼き付いている。(つまり最高ってこと。)
また音楽はどれもか弱くて儚い、今にも消えそうなものなのに、ぐらぐらと感情を揺さぶってくる。トム・ヨークやくしまるえつこの声があまりにも強烈。この映画のテーマ曲にはレディオヘッドしかいなかったろう。(つまり最高ってこと。)
役者陣は主役から脇役にいたるまで完璧なキャスティング。そして最高の演技。壊れている人々がより壊れていく。というか松たかこが壊していく。(いいぞ!たかこ!)
そして原作との違いで一番良かったのはクラスメイトの反応だ。小説ではクラスメイトの反応までを事細かに記せない。映画でも一人ひとりにスポットがあたるということはないしもちろんそんなことする必要もない。けれど反応は見たい。映画でなら声が聞こえるし動きが見える。松演じる森口が告白する最中に聞こえてくる中学生の脊髄反射のリアクション、イジメへの参加態度、クラスのノリなどの描写がとてもよかった。(つまり最高ってこと。)
本作は基本的にナレーションで語られ、テンポも速い。そしてそこから得られる情報が非常に多いため人によっては若干ついていけないことがあるかもしれない。*1そしたらもう一度観ればいい。それだけの価値ある映画だ。
もう何度も言ってるようにオレがいいたことは唯一つ。
つまり最高ってこと。

*1:一緒に観た友達がそんなこと言ってた。