第9地区

 京成ローザにて
超期待してたから、ネタバレなんかみたらたまらん!と思ってここ2日ぐらいネットもうかつにできない状態だった。映画館についてからもウキウキソワソワして、待合所をうろうろしてしまった。
で、観終わった感想はん〜、微妙!
期待しすぎたのか、どうにも心から面白かったとはいえない。たぶん何の気なしにフラッと観たら面白かったんだろうと思う。
映画前半はモキュメンタリーとして、関係者や住民へのインタビューが中心。そのインタビューを通して、現状説明など、要は映画の設定を観客に説明する。そこで主人公ヴィカスが「何か」をしたことがわかり、その後の展開に期待させられる。つまりこれは「事後」であるということ。
その後その「事件」の全貌が明かされていくわけだが、それは次第にモキュメンタリーの体を成さなくなっていく。とは言っても完全にそれがなくなるわけでもなく、なんともどっちつかずな視点で展開されていく。時折挟まれる監視カメラの映像は監視社会への皮肉なのだろうが、これは不自然で映画のリズムを壊しているように感じた。
主人公のヴィカスは一見すると良識ある男だが、本当のところは相当に腐った男で徐々にその醜いエゴを露にする。なんとも腹立たしい男で「殺されちまえ!」と思う。だからしぶとく生きる姿がどうにも恨めしい。
一方この映画の白眉といえるのはアクションシーンだ。エビは圧倒的な科学力をもっており、その武器の威力は凄まじい。あの破壊っぷりには爽快感が感じられる、と思いきやどうにも興奮しきれない。それはやはりヴィカスのせいだ。
決してつまらないわけではないが、どうにも消化不良感の残るものとなった。