秒速5センチメートル

秒速20センチメートルくらいで桜の花びらがそよそよそする今日この頃。とある機会があって『秒速5センチメートル』を観た。一時期、話題にもなっており評判も上々。話題になっていたころに一度観ていたので2回目である。一回目は「あ〜ホント絵は綺麗だな〜。あぁこういう系の話ね」とそこでもいいとも悪いとも思わなかった。しかし改めて観なおして気づいた。
オレ、これ嫌い
上映終了後、周囲からは感動モノに対するよくある感想が聞こえてきた。その中でも一番多かったのは「切ない」だった。グーグルで検索すると関連ワードで「鬱」なんてものも出てくる。そのへんの気持ちも確かにわからなくはない。
でもさ、「切ない」ってさ、ちょっと違うと思うんだよ。この映画に出てくる登場人物たちはみんな最初から最後までずっと「切ない」って気持ちに変化がなくて、それを全部ナレーションで流してるじゃん。それってどうなの?有吉の言葉を借りればそれはまさに「切なさの押し売り」*1だと思う。でも「切なさ」ってある過程を経た結果湧いてくる気持ちじゃないの?ずっと「オレ切ないんだよ。だってホニャララなんだぜ。でもいいんだ。」とか「私切ないの。わたしかわいそう。」みたいのはハッキリいってうざい
自分の気持ちを抑えつけるだけで「いいんだ、しょがないんだ。あの人のためなら…。」ってなんだよそれ!悲劇のヒロイン気取りかよ!物語としてそれらを乗り越える葛藤とかドラマがあって、そうしてその先にあるのが「切ない」でしょ?
でもやっぱり絵はホントに綺麗。だからオレはこれを山崎まさよしの「One more time, One more chance」の長い長いPVと捉えることにした。だからもしこれから観ようと思ってる方がいましたら本編は観なくても短いほうのPVさえ観ればそれで充分です。

*1:有吉はベッキーに「元気の押し売り」というあだ名をつけた。